キャノンの歴史と製品の魅力

国内外でデジタル一眼レフカメラのトップシェアを誇るキャノン。キャノンの「EOSシリーズ」といえば、カメラに詳しくない人でも聞き覚えがあるでしょう。そんなキャノンはデジタル一眼レフカメラの他にもさまざまな製品を販売しています。キャノンの歴史と共にキャノン製品のカメラの特徴や魅力を紹介します。

カメラメーカー「キャノン」の誕生

キャノンの始まりは1933年。ようやく世界恐慌から抜け、景気が回復してきた時代の中、キャノンの前身である精機光学研究所が東京に開設されました。当時のカメラと言えばドイツ製の「ライカ」一択。その超高級機種であるライカに対抗するべく精機光学研究所はカメラの製造に乗り出します。

そしてその翌年の1934年には、最初の試作機である「KWANON(カンノン)」が誕生しました。機器の名前は作り手の一人である人物が観音信仰者であったことに由来しています。そこには、当時の日本の技術者の誇りや、世界に通用する最高のカメラ創りへの思いや願いが込められていたそうです。

その後、本格的にカメラ製造をはじめた同社。社名は1947年に「キヤノン株式会社」となり、1969年には現在の社名である「キヤノン株式会社」へ変わりました。

今や東証一部とニューヨーク証券取引所に上場する企業のキャノン。初の試作機に託した夢は大きく花開き実を結んだと言えるでしょう。

キャノンを代表するデジタル一眼レフカメラ

キャノンのデジタル一眼レフカメラの中で、最もポピュラーなものはファミリーモデルの「EOS Kissシリーズ」です。コンパクトなサイズ感のため女性の手にも馴染みやすく、軽量化に成功しているため持ち運びにも便利。ちょっとしたスナップ撮影に最適な機種です。価格帯を抑えていることや操作が簡単であることからそれまで一眼レフへの抵抗があったファミリー層や若い女性から人気を博し、大ヒット商品となりました。

しかし、忘れてはいけないのがハイアマチュア向けに作られたモデルたち。EOS Kissの代表モデルと併せてコスパに非常に優れたEOS 90D、EOS 5D MarkⅣを紹介します。

EOS kiss X10

EOS kiss X10は、EOSkissシリーズの特徴に加え、最新技術を搭載したモデルです。YouTube投稿にもおすすめの4K動画や、さまざまなアングルからの撮影を可能にするバリアングモニターを採用し、一眼レフカメラをもっと楽しみたいという需要に応えています。

また、映像エンジンは最新の「DIGIC8」を搭載。従来モデルのAFを大きく改善しました。さらに瞳の追従をし続けることができることもあり、正確なピントを実現しています。

この他にも、スマートフォンと連携させ、スマートフォンへの画像転送やリモートフォンでリモート撮影ができるといった優れモノ。

EOS 90D

EOS 90Dは、3250万画素もの高画素化と高速連続撮影は10コマ/秒、そして最新映像エンジンの「DIGIC8」を搭載した一眼レフカメラです。望遠での撮影やスピード感のある撮影にたいしてもボケることなく被写体を捉えることができます。

本機はターゲット層を選ばないため、ファミリー層からハイアマチュアまで幅広く支持を得ています。野鳥やスポーツ観戦や走行する電車などのな撮影や結婚式での撮影など、本腰を入れたい趣味やイベント時に遜色なく活躍するモデルです。

EOS 5D MarkⅣ

EOS 5D MarkⅣは、ハイアマチュア向けの一眼レフカメラです。キャノンの最高機種であるEOS-1D X Mark IIで使用されている技術を搭載し、測距エリアの拡大や、撮影時に解像劣化補正を行うデジタルレンズオプティマイザも適用しています。高画素・高感度を実現しているため、暗所だけでなく天候や昼夜に左右されず快適な撮影を可能にしました。

高速連続撮影7コマ/秒、ISO感度ISO100~32,000、有効画素数は3,040万画素。こちらのモデルももちろん4K動画の撮影ができます。

キャノンを代表するフィルム一眼レフカメラ

フィルムカメラの人気が近年高まっていますが、キャノンのフィルム一眼は初心者でも使いやすい機種が多いため、古くからのファンだけでなくこれからフィルムカメラを始めてみたいという人にもとっつきやすい機器と言えるでしょう。

キャノンのフィルム一眼レフカメラの中から代表的なモデルを紹介します。

AE-1

AE-1は、それまで高級品であった35mm一眼レフカメラの概念を覆したモデルと言えるでしょう。フィルムカメラが一部の愛好家だけでなく広く一般的に普及し愛された理由は、高品質・高性能であるにもかかわらず価格帯を大幅に下げた点。1976年に発売された同機はレトロな外観の魅力も相まってこれからフィルムカメラを始めたい人にもおすすめの機種と言えます。

T50

T50は、1983年に発売した「誰でもフィルムカメラを使える」要素が非常に高いモデルです。フィルムカメラにたいしてギミックを重視する場合は残念ながら評価が高いものではありませんが、これからの新しいニーズを見越し、自動化機能を優先させました。

しかし、発売年にはオリンパスXA2と並んでグッドデザイン賞を受賞するといった快挙を成し遂げているモデルです。

EOS 7・EOS7s

キャノン最後のフィルムカメラとなったEOS7とそのマイナーチェンジモデルのEOS7s。この2つの機種はキャノンを代表するフィルムカメラからは外すことができない存在です。ちなみに、これまで紹介したフィルムカメラはどちらもMFですが、EOS7・EOS7sはAFとなります。

CanonのEOSシリーズのプロ機で使用されている技術を用い、大衆機よりも一つ抜きんでた存在です。

キャノンはフィードバックの歴史でもある

キャノンの功績は何と言っても一眼レフを広く普及させたことではないでしょうか。堅実なプロ機だけに留まらず、性能の良い機器を大衆向けに作り続けた結果、技術やユーザーのデータ蓄積しフィードバックを行うことができました。ユーザーにとって使いやすいカメラを生み出しているからこそ高いフェア率を誇る大手メーカーとして君臨しているのではないでしょうか。